2008年11月7日金曜日

カオス その2

前回視察に行った工場の社長と打合せを行いました。

社長は耐震に関しての基礎知識をお持ちのようで、耐震診断・耐震改修を建築基準法・耐震改修促進法に従って行なおうとすることが困難なことを理解されており、今回の耐震改修に関しては、構造部分に関しては少なくとも震度6弱レベルで倒壊しない程度の耐震性能を持たせたいとの事でした。

たしかに、既存不適格建物を所有する一般の方からすると、なるべくローコストで大きな変更無く、必要な部分に補強することによって地震に対する脅威を低減したいというのが本音でしょう。
しかし、構造のエンジニアとしては、どのような補強を行ってどれだけ耐震強度があがったということを、第3者の評価をつけて説明したほうが後で問題になりにくいし、そもそも法令順守を要求される時代に1級建築士が実際に耐震改修促進法の計画の認定がとれるかどうかわからない(やむを得ないと認められる不適格事項になるかどうかわからないところがある)設計を行って工事をしてしまうのもどうかという問題もあるので、話の落としどころをどうするか迷うところです。

ただ、一方で社員を守るために法律はともかく、早急に危険建物の補強を行いたいという施主を無視するのも、エンジニアとしてどうかと思うので、恐らくこの仕事を受けると思いますが、相当苦労しそうです。

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