2009年2月20日金曜日

飛び出す絵本 その2

前回の結果を参考に、今度は実大モックアップを作成。


材料を折る前はかなり巨大 (あたりまえですが)



それを必死で学生ボランティアに折ってもらい・・・



夜中に、ドキドキの初開ページ。




で、でかいです。 さすがあと一歩でギネス記録。

一時はどうなることかと思っていたので、スタッフもナチュラルハイになってました。



(写真左がデザイナーの栗本氏)

2009年2月13日金曜日

地域差

最近やっと現場が始まりだし、現在監理業務が立て込んでいます。
その監理業務でプレカット(工場で木を刻む)の打合せを何件かしたのですが、大多数の業者が

「柱をスギからヒノキに変更させてください」

と、質疑が上がってきました。
東京で仕事してたときには、ヒノキを指定しても、ヒノキは高いので○○ではいけませんか?といった質疑をよく目にしていただけに、何でかと思い業者に聞いてみると、
「飛騨地方からヒノキは潤沢に供給されているので、東海3県はヒノキのほうが入手しやすく、価格もほとんど変わらないので、材を探す手間を考えたらヒノキのほうがいい」
とのこと。 特に通し柱などで使われる、長尺物の柱材はヒノキでないと特注で取り寄せないと入手できないとか。

ヒノキって、相当高価なイメージがあったので遠慮していましたが、今後この地域では積極的に使用しようと思います。

2009年1月16日金曜日

飛び出す絵本

皆さんは飛び出す絵本をご存知でしょうか。

本を開くと、折りたたんであった紙が立体的に展開されるような仕組みとなっているものなのだが、実際に人が入れるような巨大な飛び出す絵本を作りたいという要請があり、このプロジェクトに参加することになりました。



今回製作するのは、本を開くとドーム状の物体が現れる仕組みを作るのだが、そのサイズは幅2.5m高さ2.4mで、後一歩でギネスだったらしい。

問題は、折りたたんだドームを自立させる方法だが、極力フレームなどの補助部材なしに紙だけで構成したいということだったので、ひとまず折板ドームでできるかモックアップを作成。







和紙の間に0.5mmエンビ板をサンドイッチして造ってみたが、接合部が不安定で、紙とエンビ板が剥がれてハラハラと崩壊・・・・



折板構造では、ある板要素が隣合う板要素によって面外の変形を拘束することによって座屈しないのだが、折れ目は畳めるように板同時が間隔をあけて紙で貼り付けてあるため拘束効果が十分でなく、また、紙とエンビ板の接着も問題となった。





次にはポリカーボネー板を梱包用のフィルム状のテープで直接貼り付け、クリアランスも最小としたところ、プリーツを開いてさえいれば十分な強度を持たすことができた。



かなり丈夫になった感じはあるものの、「本」であるため足元のプリーツは完全に閉じている為、どうやら足元が座屈してしまう問題が発生。

現在この問題を検証中です。 乞うご期待?   つづく

2009年1月2日金曜日

あけましておめでとうございます

本日から仕事初めにしました。
雇われてる時は、一時でも長く休みを・・・ と思ってましたが、自分で事務所を始めるとなんだか家にいるのが落ち着かなくて。

と言ったら、祖母に「おじいさんそっくり」と言われました。
遺伝でしょうか。

2008年12月26日金曜日

年末のバタバタ

気が付けば、1ヶ月近く更新していません。

いや、この1ヶ月は締め切りが集中して、全然BLOGを書いている暇がありませんでした(言い訳)
ひとつ大きめのプロジェクトが2ヶ月ほどずれたため、冬休みができてしまいました。
経営的にはマズいけど、この2ヶ月まともに子供たちと遊んでいなかったので、そろそろ父親の威厳を見せるべく、明日は子供たちと遊ぶ日に決めました。

年明けは、古民家改修の計算書の質疑が上がるかと思いますが、お役所がどんな反応をするのか楽しみです。 どうか、大変な質疑がでませんように。

2008年11月28日金曜日

古きものと新しきもの

最近、耐震改修の問い合わせが多い。

ただ、現状行われている耐震改修は、どうしてもとってつけたようなブレースを追加し、確かに耐震性能は上がるのでしょうが、美観や使い勝手に支障をきたし、内部の窓から見えるブレースは圧迫感を与え、空間の質も落としているような気がします。


たしかに、今ある構造に最小限のコストと工期でやろうと思えば、ブレースを付け足したり、耐震壁を打ちましたりするのが手っ取り早い方法で、建築基準法上も面積が変わらなければ何の申請も不要です。(計画の認定が必要な特定建築物を除く)


オフィスビルのように、使用しながら改修する必要のあるものはやはり前述の方法をとらざるを得ないこともあるものの、住宅では耐震壁の増加は即使用上の問題が生じるし、通風・採光を好むこの地域の人たちには受け入れられにくいのが現状です。


現在設計が大詰めの計画で、古民家の改築がありますが、これは古民家特有の田の字型平面と高い解放性をそのままに、耐震性能を上げるために周囲に鉄骨で増築し、その鉄骨部分によって地震力に抵抗する構成としています。
このような一体とした増築は、既存部分まで現行法規に合わせる必要がでてくるため、工学的には問題が無くても法規的に問題となりそうな部分があるため、主事によっては難色を示されることもありますが、担当の主事は今の所「古きよき物を残しつつ、時代に合わせた新しき物によって古き物を生かす」と言った考え方に理解をしていただいているようで、事前協議では好意的な判断をしていただいています。
この地域特有の?結婚したら実家で親と同居みたいな文化のあるところでは、愛着のある古い家を好む親世代と、現代的な家に住みたい子世代が共に暮らす家の需要は潜在的に多いと見られ、今回の方法は古い部分の耐震性能をも上げることから、単に「はなれ」を造るより良いと思います。

今後しばらくこの計画をUPしていこうと思います。

2008年11月7日金曜日

カオス その2

前回視察に行った工場の社長と打合せを行いました。

社長は耐震に関しての基礎知識をお持ちのようで、耐震診断・耐震改修を建築基準法・耐震改修促進法に従って行なおうとすることが困難なことを理解されており、今回の耐震改修に関しては、構造部分に関しては少なくとも震度6弱レベルで倒壊しない程度の耐震性能を持たせたいとの事でした。

たしかに、既存不適格建物を所有する一般の方からすると、なるべくローコストで大きな変更無く、必要な部分に補強することによって地震に対する脅威を低減したいというのが本音でしょう。
しかし、構造のエンジニアとしては、どのような補強を行ってどれだけ耐震強度があがったということを、第3者の評価をつけて説明したほうが後で問題になりにくいし、そもそも法令順守を要求される時代に1級建築士が実際に耐震改修促進法の計画の認定がとれるかどうかわからない(やむを得ないと認められる不適格事項になるかどうかわからないところがある)設計を行って工事をしてしまうのもどうかという問題もあるので、話の落としどころをどうするか迷うところです。

ただ、一方で社員を守るために法律はともかく、早急に危険建物の補強を行いたいという施主を無視するのも、エンジニアとしてどうかと思うので、恐らくこの仕事を受けると思いますが、相当苦労しそうです。