2009年3月13日金曜日

想定外

今日は、例の築90年の民家を鉄骨造で増築しながら耐震補強をするという仕事の、配筋検査に行ってきました。




↑ 下屋部分が解体されて基礎梁の配筋中





既存部分があるので、実際に解体して実測すると、想定の範囲外の部分も多々あり、微妙に構造計算にも影響してきます。 今のところ、部分的には力の流れが変わっても、全体からすれば軽微な変化しかない変更なので、施工者と何ができるか打合せながら法的な扱いを役所で協議することで、なんとか工事を止めずに進めているところです。

いや、ある程度は大変だろうなと覚悟していましたが、想像以上に手間がかかります。 ここからも変な妥協はせずに面白いものにしようと思います。

2009年2月25日水曜日

飛び出す絵本 その3

いざ製作現場から愛知芸術文化センターへ



やはり、結構大きいです。
移動中、一部損傷したようですが、展示初日にはなんとか間に合ったようです。

下の写真は、芸術文化センター2階エントランスに設置された飛び出す絵本の展示状況です。
一般の方も中に入ることができます。


朝の部屋→昼の庭→夜の部屋 と全3ページで構成されているそうです。

紙では自立不可能ということで構造の相談を受けました。 スチールの門型の枠をつけるだとか、家型のページを増やして自立させようだとか、いろいろな案がありましたが、最終的には0.5mm塩ビ板の折板構造を紙でサンドイッチする構造になり、イメージに近いものになったそうです。

できてしまえば何てこと無いのですが、薄板折板構造では、ある面をそれに隣接する面によって座屈補剛をする必要があるにもかかわらず、隣接する面とぴったりくっつけてしまうと畳めなくなるので、微妙なクリアランスを設ける必要があったり、ドーム上になる為、本のヒンジ部分のプリーツが開かないので、その部分が座屈しやくすなったりと結構ヒヤヒヤしましたが、なんとか展示までできて一安心。

3/1 まで、愛知芸術文化センターで展示中なので、お暇なかたはぜひ。

2009年2月20日金曜日

飛び出す絵本 その2

前回の結果を参考に、今度は実大モックアップを作成。


材料を折る前はかなり巨大 (あたりまえですが)



それを必死で学生ボランティアに折ってもらい・・・



夜中に、ドキドキの初開ページ。




で、でかいです。 さすがあと一歩でギネス記録。

一時はどうなることかと思っていたので、スタッフもナチュラルハイになってました。



(写真左がデザイナーの栗本氏)

2009年2月13日金曜日

地域差

最近やっと現場が始まりだし、現在監理業務が立て込んでいます。
その監理業務でプレカット(工場で木を刻む)の打合せを何件かしたのですが、大多数の業者が

「柱をスギからヒノキに変更させてください」

と、質疑が上がってきました。
東京で仕事してたときには、ヒノキを指定しても、ヒノキは高いので○○ではいけませんか?といった質疑をよく目にしていただけに、何でかと思い業者に聞いてみると、
「飛騨地方からヒノキは潤沢に供給されているので、東海3県はヒノキのほうが入手しやすく、価格もほとんど変わらないので、材を探す手間を考えたらヒノキのほうがいい」
とのこと。 特に通し柱などで使われる、長尺物の柱材はヒノキでないと特注で取り寄せないと入手できないとか。

ヒノキって、相当高価なイメージがあったので遠慮していましたが、今後この地域では積極的に使用しようと思います。

2009年1月16日金曜日

飛び出す絵本

皆さんは飛び出す絵本をご存知でしょうか。

本を開くと、折りたたんであった紙が立体的に展開されるような仕組みとなっているものなのだが、実際に人が入れるような巨大な飛び出す絵本を作りたいという要請があり、このプロジェクトに参加することになりました。



今回製作するのは、本を開くとドーム状の物体が現れる仕組みを作るのだが、そのサイズは幅2.5m高さ2.4mで、後一歩でギネスだったらしい。

問題は、折りたたんだドームを自立させる方法だが、極力フレームなどの補助部材なしに紙だけで構成したいということだったので、ひとまず折板ドームでできるかモックアップを作成。







和紙の間に0.5mmエンビ板をサンドイッチして造ってみたが、接合部が不安定で、紙とエンビ板が剥がれてハラハラと崩壊・・・・



折板構造では、ある板要素が隣合う板要素によって面外の変形を拘束することによって座屈しないのだが、折れ目は畳めるように板同時が間隔をあけて紙で貼り付けてあるため拘束効果が十分でなく、また、紙とエンビ板の接着も問題となった。





次にはポリカーボネー板を梱包用のフィルム状のテープで直接貼り付け、クリアランスも最小としたところ、プリーツを開いてさえいれば十分な強度を持たすことができた。



かなり丈夫になった感じはあるものの、「本」であるため足元のプリーツは完全に閉じている為、どうやら足元が座屈してしまう問題が発生。

現在この問題を検証中です。 乞うご期待?   つづく

2009年1月2日金曜日

あけましておめでとうございます

本日から仕事初めにしました。
雇われてる時は、一時でも長く休みを・・・ と思ってましたが、自分で事務所を始めるとなんだか家にいるのが落ち着かなくて。

と言ったら、祖母に「おじいさんそっくり」と言われました。
遺伝でしょうか。

2008年12月26日金曜日

年末のバタバタ

気が付けば、1ヶ月近く更新していません。

いや、この1ヶ月は締め切りが集中して、全然BLOGを書いている暇がありませんでした(言い訳)
ひとつ大きめのプロジェクトが2ヶ月ほどずれたため、冬休みができてしまいました。
経営的にはマズいけど、この2ヶ月まともに子供たちと遊んでいなかったので、そろそろ父親の威厳を見せるべく、明日は子供たちと遊ぶ日に決めました。

年明けは、古民家改修の計算書の質疑が上がるかと思いますが、お役所がどんな反応をするのか楽しみです。 どうか、大変な質疑がでませんように。