あけましておめでとうございます。
去年後半はスケジュールの管理がうまくできず、バタバタしてしまいご迷惑をかけてしまった感じがあり、反省している次第です。
今年はもう少し余裕をもったスケジュールで仕事しようと思いつつ、しばらくはまだ余裕がなさそうだったりします。 バイトのスタッフたちが結構仕事を覚えてくれてきたのが救いです。
春頃からホームページもちゃんと更新していこうと思います。
さー、仕事しごと。
2009年7月7日火曜日
古民家のその後
例の古民家改修計画の近況です。
既存木造部分の腐った材等を入れ替え、周囲に鉄骨を建て方した状態です(下図)。
当然のことながら、90年前の木造なので、精度は現在の鉄骨と比べ物にならないぐらいなので、各箇所現場で実測し、それに合わせて鉄骨を作るという手間のかかる作業。
それでもなんとか建て方を終了。
ここの部分に、軒がとりつくつと、こんな感じです ↓
伝統的な田の字平面に耐力壁等をつけることなく、建具を外せば深い軒下まで一体となる空間。
前回行った時は、暑さを感じない気持ちの良い風が通り抜けていました。
また、既存部分の天井の一部は剥がされ、小屋組みを見上げることができ、水平方向だけでなく鉛直方向にも抜けているのが面白い所です。
ここで、架け替えれなかったためそのまま使用した梁に関して、安全を確認する作業が発生。
手前が1階から抜けている部分で、手前に2本(と床下に3本)架かっているのが架け替えれなかった梁で、この部分は後ろに見えている窓の開け閉めのために用意されているだけなので、積載荷重はそんなに見なくてよいとして良いことを事前に役所と協議したはずだったのですが、幅が広いので(構造的に平面剛性が必要だっただけなのですが)居室用途にも使えるのでは?と指摘があり、居室用積載荷重で設計することに。
もともと材種と強度がわからなかったので、最も弱い木材と仮定して計算していましたが、実際には90年の間に十分乾燥し、もともと強度のある樹種と思われるので、居室用床荷重でも問題ないと思われましたが、何らかの方法で確認してくださいとのことだったので、梁1本に大人5人載って基準法上に定められた積載荷重よりちょっと重くして安全を確認しました。
(撓みを測定し、撓みからヤング係数を逆算後、そのヤング係数に相当する許容応力度とした。)
まぁ、なんともおかしな写真です。
ひょっとしたら大工さんたちは
「この設計屋、暑さで頭がおかしくなったんじゃないか?」
と思っていたかも。
あと、1カ月ほどで完成予定。
どのように仕上がるか楽しみです。
2009年3月13日金曜日
想定外
2009年2月25日水曜日
飛び出す絵本 その3
いざ製作現場から愛知芸術文化センターへ

やはり、結構大きいです。
移動中、一部損傷したようですが、展示初日にはなんとか間に合ったようです。
下の写真は、芸術文化センター2階エントランスに設置された飛び出す絵本の展示状況です。
一般の方も中に入ることができます。



朝の部屋→昼の庭→夜の部屋 と全3ページで構成されているそうです。
紙では自立不可能ということで構造の相談を受けました。 スチールの門型の枠をつけるだとか、家型のページを増やして自立させようだとか、いろいろな案がありましたが、最終的には0.5mm塩ビ板の折板構造を紙でサンドイッチする構造になり、イメージに近いものになったそうです。
できてしまえば何てこと無いのですが、薄板折板構造では、ある面をそれに隣接する面によって座屈補剛をする必要があるにもかかわらず、隣接する面とぴったりくっつけてしまうと畳めなくなるので、微妙なクリアランスを設ける必要があったり、ドーム上になる為、本のヒンジ部分のプリーツが開かないので、その部分が座屈しやくすなったりと結構ヒヤヒヤしましたが、なんとか展示までできて一安心。
3/1 まで、愛知芸術文化センターで展示中なので、お暇なかたはぜひ。

やはり、結構大きいです。
移動中、一部損傷したようですが、展示初日にはなんとか間に合ったようです。
下の写真は、芸術文化センター2階エントランスに設置された飛び出す絵本の展示状況です。
一般の方も中に入ることができます。
朝の部屋→昼の庭→夜の部屋 と全3ページで構成されているそうです。
紙では自立不可能ということで構造の相談を受けました。 スチールの門型の枠をつけるだとか、家型のページを増やして自立させようだとか、いろいろな案がありましたが、最終的には0.5mm塩ビ板の折板構造を紙でサンドイッチする構造になり、イメージに近いものになったそうです。
できてしまえば何てこと無いのですが、薄板折板構造では、ある面をそれに隣接する面によって座屈補剛をする必要があるにもかかわらず、隣接する面とぴったりくっつけてしまうと畳めなくなるので、微妙なクリアランスを設ける必要があったり、ドーム上になる為、本のヒンジ部分のプリーツが開かないので、その部分が座屈しやくすなったりと結構ヒヤヒヤしましたが、なんとか展示までできて一安心。
3/1 まで、愛知芸術文化センターで展示中なので、お暇なかたはぜひ。
2009年2月20日金曜日
飛び出す絵本 その2
前回の結果を参考に、今度は実大モックアップを作成。
材料を折る前はかなり巨大 (あたりまえですが)
材料を折る前はかなり巨大 (あたりまえですが)

それを必死で学生ボランティアに折ってもらい・・・
夜中に、ドキドキの初開ページ。

で、でかいです。 さすがあと一歩でギネス記録。
一時はどうなることかと思っていたので、スタッフもナチュラルハイになってました。

(写真左がデザイナーの栗本氏)
2009年2月13日金曜日
地域差
最近やっと現場が始まりだし、現在監理業務が立て込んでいます。
その監理業務でプレカット(工場で木を刻む)の打合せを何件かしたのですが、大多数の業者が
「柱をスギからヒノキに変更させてください」
と、質疑が上がってきました。
東京で仕事してたときには、ヒノキを指定しても、ヒノキは高いので○○ではいけませんか?といった質疑をよく目にしていただけに、何でかと思い業者に聞いてみると、
「飛騨地方からヒノキは潤沢に供給されているので、東海3県はヒノキのほうが入手しやすく、価格もほとんど変わらないので、材を探す手間を考えたらヒノキのほうがいい」
とのこと。 特に通し柱などで使われる、長尺物の柱材はヒノキでないと特注で取り寄せないと入手できないとか。
ヒノキって、相当高価なイメージがあったので遠慮していましたが、今後この地域では積極的に使用しようと思います。
その監理業務でプレカット(工場で木を刻む)の打合せを何件かしたのですが、大多数の業者が
「柱をスギからヒノキに変更させてください」
と、質疑が上がってきました。
東京で仕事してたときには、ヒノキを指定しても、ヒノキは高いので○○ではいけませんか?といった質疑をよく目にしていただけに、何でかと思い業者に聞いてみると、
「飛騨地方からヒノキは潤沢に供給されているので、東海3県はヒノキのほうが入手しやすく、価格もほとんど変わらないので、材を探す手間を考えたらヒノキのほうがいい」
とのこと。 特に通し柱などで使われる、長尺物の柱材はヒノキでないと特注で取り寄せないと入手できないとか。
ヒノキって、相当高価なイメージがあったので遠慮していましたが、今後この地域では積極的に使用しようと思います。
2009年1月16日金曜日
飛び出す絵本
皆さんは飛び出す絵本をご存知でしょうか。
本を開くと、折りたたんであった紙が立体的に展開されるような仕組みとなっているものなのだが、実際に人が入れるような巨大な飛び出す絵本を作りたいという要請があり、このプロジェクトに参加することになりました。
今回製作するのは、本を開くとドーム状の物体が現れる仕組みを作るのだが、そのサイズは幅2.5m高さ2.4mで、後一歩でギネスだったらしい。
問題は、折りたたんだドームを自立させる方法だが、極力フレームなどの補助部材なしに紙だけで構成したいということだったので、ひとまず折板ドームでできるかモックアップを作成。

和紙の間に0.5mmエンビ板をサンドイッチして造ってみたが、接合部が不安定で、紙とエンビ板が剥がれてハラハラと崩壊・・・・
折板構造では、ある板要素が隣合う板要素によって面外の変形を拘束することによって座屈しないのだが、折れ目は畳めるように板同時が間隔をあけて紙で貼り付けてあるため拘束効果が十分でなく、また、紙とエンビ板の接着も問題となった。
次にはポリカーボネー板を梱包用のフィルム状のテープで直接貼り付け、クリアランスも最小としたところ、プリーツを開いてさえいれば十分な強度を持たすことができた。

かなり丈夫になった感じはあるものの、「本」であるため足元のプリーツは完全に閉じている為、どうやら足元が座屈してしまう問題が発生。
現在この問題を検証中です。 乞うご期待? つづく
本を開くと、折りたたんであった紙が立体的に展開されるような仕組みとなっているものなのだが、実際に人が入れるような巨大な飛び出す絵本を作りたいという要請があり、このプロジェクトに参加することになりました。
今回製作するのは、本を開くとドーム状の物体が現れる仕組みを作るのだが、そのサイズは幅2.5m高さ2.4mで、後一歩でギネスだったらしい。
問題は、折りたたんだドームを自立させる方法だが、極力フレームなどの補助部材なしに紙だけで構成したいということだったので、ひとまず折板ドームでできるかモックアップを作成。

和紙の間に0.5mmエンビ板をサンドイッチして造ってみたが、接合部が不安定で、紙とエンビ板が剥がれてハラハラと崩壊・・・・
折板構造では、ある板要素が隣合う板要素によって面外の変形を拘束することによって座屈しないのだが、折れ目は畳めるように板同時が間隔をあけて紙で貼り付けてあるため拘束効果が十分でなく、また、紙とエンビ板の接着も問題となった。
次にはポリカーボネー板を梱包用のフィルム状のテープで直接貼り付け、クリアランスも最小としたところ、プリーツを開いてさえいれば十分な強度を持たすことができた。

かなり丈夫になった感じはあるものの、「本」であるため足元のプリーツは完全に閉じている為、どうやら足元が座屈してしまう問題が発生。
現在この問題を検証中です。 乞うご期待? つづく
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